最近、クリニカル・イナーシャ、という言葉を
乾癬治療界隈で耳にする機会が多くなりました。
イナーシャ(inertia) とは、慣性、と訳され、
物体は、外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止状態を続ける
という慣性の法則、というものでして
物理学で学んだ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

前置きが長くなりました💦
クリニカル・イナーシャとは〝臨床的惰性〟と訳され、
「更なる治療が必要であるのに患者や医者が治療強化など次の手を打たず、
そのままの状態を続けてしまうこと」
として理解されています。
「血糖値が300なのにドーナツとポテチ食べちゃった、テヘペロ」
みたいなことですかねー
おもに糖尿病の治療において使われ始めた言葉だと聞いています。
わたしたち自分自身を振り返っても
・掃除をしたほうが良いとわかっているのに部屋が散らかっている
・ほんとうは体重を減らしたいのに行動に移せない
・運動は必要だとわかっているけど習慣化できない
・浪費はしたくないのに高価なものを買ってしまう
・勉強しなきゃいけないと思っているのに手につかない
など、しなきゃいけないことを〝臨床的惰性〟で
そのままにしているという・・・
お耳に痛いことはあるんじゃないでしょうか・・・💦
・・・かくいう自分も書きながら、
いくつかあてはまってるなと涙目😢
乾癬治療においても、
アトピー診療においても、
「最適な治療を適切な患者さんに届ける」
ことが必要で
そのためには疾患コントロールにおいて
「現状を把握すること」
「悪化因子を特定しそれを取り除くこと」
「改善する方法を考え選択肢を模索すること」
「その時点でベストな選択を実行に移すこと」
「必要に応じ再計画しchek, do, actを繰り返すこと 」
が必要と考えられます。
このたび、講演で、クリニカルイナーシャをいかに打破するかを組み入れた
講演内容でお話ししてまいりました。
このたび、昨日5/12(日)~から本日5/13(月)にかけて
札幌まで安部先生にお招きいただき札幌まで講演してまいりました。
はーるばるーきたぜサッポロー🎵
アレ?
・・・ちがうか!
札幌は、子供たちがまだ小さいころ・・・12年前かな?に家族旅行に来たこと、
悪性腫瘍学会だったかな、などの学会発表で2-3回ほど来たことがあります。
10年ぶりかな・・・?


クリニカル・イナーシャ(臨床的惰性)
を話の導入として、
私が福岡大学を主幹とした西日本炎症性皮膚疾患研究会の
データ整理を手伝わせていただいた全身療法の継続率、
当クリニックでの乾癬治療の現状、
重症患者さんに対する生物学的製剤の選択肢とどのように使い分けをするか
についてお話いたしました。

安部先生のとてもテンポよくユーモアあふれる司会のもと、
いつも通り楽しく講演ができました・・・が、
じつは札幌での講演は自分の精神的負荷になっていたようで
前の日は自分が演者で大丈夫だろうか・・?
などすこしナーバスになりあまり眠れなかったことを
ひそかに暴露します☺
これまでになんどか全国学会の講演や西日本配信などもしているのですが
オンラインが主でしたし
このたびは、慣れない北の大地で、
しかも自分をわざわざお招きいただくメイン演者で
さらに自己都合のため日曜日の夕方、というご配慮をいただいていたのです。
安部先生や関係者各位にこの場を借りて深く御礼申し上げます。


さて、最近は 井上尚弥 vs ネリ 戦の感想とか
Google評価に対する考察など
書きたいことはたくさんあるのですがまずはいったん締めたいと思います。
さてさて、ではあすからもがんばりますぞ!