みなさまこんにちは。
紙屋町やなせ皮ふ科クリニックの柳瀬です。
本日5/26日曜日は、休日当番医として、朝9時から17:30受付終了時まで
皮ふのご病気でお困りの患者さんの診療にあたっています。
・急性湿疹
・急性じんましん
・ウイルス性中毒疹(ウイルス感染に伴う皮膚の症状)
・やけど
・虫刺され
・帯状疱疹
・再発性単純ヘルペス
などの患者さんが合計50名程度おいででした。
外国(北欧、旅行中の外傷)のかたもこられました。
開業してから知ったのですが、
帯状疱疹や単純ヘルペスの患者さんはほんとうにたくさんお出でで、
みなさんストレスを抱えていらっしゃるのかな、と感じます。
本当に多ければ一日に5名程度いらっしゃることもあります。
そう考えると、やはり帯状疱疹ワクチンの接種は必要なのかなと思います。
帯状疱疹ワクチンは(種類にもよりますが)
95%以上の確率で少なくとも8年間は症状の出現を制御できるデータがあります。
当院でも接種可能です。
以下、いわゆる外山望先生の宮崎スタディのデータです。

A)50-60代の男女に帯状疱疹罹患のピークがあります。再発例は60-70代が多いです。
B)再燃するかたの割合は6.4%と報告されています。3-10年以内の再発が多いです。
C)再燃する場合は異なる部位に発症することが多いようです。
さて。
本日、片側の眼瞼腫脹(片方の目の腫れ)の患者さんが何名かおいででしたので
備忘録的にまとめました。
■ 局所アレルギー反応(片側または両側)
・血管性浮腫(深在性蕁麻疹)
・眼瞼・結膜の腫脹:アレルゲンへの暴露
⇒ 原因の精査、抗ヒスタミン薬内服や点眼薬などの対症療法
■ 眼瞼炎(片側または両側)
・掻痒、灼熱感、発赤など
⇒ 全身抗菌薬投与や点眼剤など
■ 霰粒腫(さんりゅうしゅ:片側):マイボーム腺の閉塞
・局所の発赤、疼痛:局所的な無痛性の腫脹が眼瞼縁を越えて生じる
⇒ 眼科受診のうえ、切開やステロイド局注など
■ 感染性結膜炎(片側または両側)
・結膜充血、眼脂、耳前部リンパ節腫脹、結膜浮腫など
⇒眼科受診のうえ抗菌薬点眼など
■ ヘルペス性眼瞼炎(片側)
紅斑上に生じる小水疱や潰瘍、疼痛
⇒眼科受診のうえ抗ウイルス薬の全身/局所投与
■ 帯状疱疹(片側性、三叉神経第一枝領域)
紅斑上に生じる小水疱や潰瘍、疼痛
⇒ 抗ウイルス薬の全身/局所投与
■ 麦粒腫(ばくりゅうしゅ(ものもらい):片側性):マイボーム腺炎
片側の眼瞼に限局した腫脹が発生し時に膿疱をともなう
⇒眼科受診のうえ抗菌薬点眼など
■ 昆虫刺咬
【緊急疾患】
■ 海綿静脈洞血栓症
⇒ 総合病院で緊急入院加療
【まれな疾患】
■ 眼窩内腫瘍
・MALT lymphoma(リンパ腫)
・悪性黒色腫など
・サルコイドーシス(原因不明の肉芽腫性疾患)
⇒ 持続する腫脹があれば総合病院でCT/MRIの精査を
・浮腫性硬化症(初発症状としてみられることがある)
さてさて、ではあとすこしがんばります!