尖圭コンジローマの治療戦略
みなさんこんにちは。
当院では、街中で、いぼ治療に通院しやすいこともあり、
また仲良しの泌尿器科医院の院長先生がやなせに紹介いただくことも多いため
コンジローマの治療をしばしば行っています。
尖圭コンジローマ(尖圭疣贅、英: Condyloma acuminatum)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染症でしばしば性行為感染症(STI)の側面を持ちます。
本疾患についてまとめて参ります。
尖圭コンジローマ(Condyloma acuminatum)とは
1. 診断
尖圭コンジローマの診断は主に臨床的な所見に基づきます。診断を確定するためには、以下の方法が用いられます:
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臨床診断:外観(尖塔状、平坦な突起、または葉状の外観を持つ)をもとに、皮膚や粘膜の所見で診断されることが多いです。
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PCR検査:HPV型を特定するために使用されることもありますが、一般的には診断に必須ではありません。
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コルポスコピー:肛門や性器に異常が見られた場合に、コルポスコピーを用いてHPV感染の評価を行うことがあります。当院では実施していません。
出典
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American Academy of Dermatology (AAD) "Guidelines of Care for the Management of Genital Warts" (2021)
2. 治療
尖圭コンジローマの治療は、感染したHPVの型や症状、患者の健康状態に応じて異なります。以下の方法が推奨されています:
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局所治療:
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外用薬:外用療法としてイミキモドクリームを使用することがありますが、病変が大きい場合は十分な効果が得られにくいことがあります。
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化学療法:トリクロロ酢酸(TCA)などが局所に塗布され、病変を化学的に除去します。当院では実施しません。
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当院では、治療後期の再発抑制目的にイミキモド(ベセルナⓇ)を併用することがあります。
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物理的除去:
当院では、早期に治療を完遂したい場合に、CO2レーザーを保険内治療で対応します。
お値段は施術費用:5000~15000円前後(大きさによる)+病理組織検査(¥3000-)
ほどです(保険の診療範囲内)。凍結療法は一回が1000円ほどです。
治療の選択は、患者の年齢、病変の広がり、患者の希望などを考慮して決定されます。
出典
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American Academy of Dermatology (AAD) "Guidelines of Care for the Management of Genital Warts" (2021)
3. 予防
尖圭コンジローマの予防には、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を防ぐことが最も重要です。予防策として以下が推奨されています。
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ワクチン接種:尖圭コンジローマの予防には、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を防ぐことが最も重要です。現在、日本では以下のHPVワクチンが使用可能で、推奨されています。
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【2価ワクチン】Cervarix(対象:HPV 16・18型)
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【4価ワクチン】Gardasil(対象:HPV 6・11・16・18型)
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【9価ワクチン】Gardasil 9(対象:HPV 6・11・16・18・31・33・45・52・58型)
これらのワクチンはいずれも、性行為を始める前(できれば9〜14歳頃)に接種することで最大の予防効果を得られます。15歳以上でも接種可能です。
ワクチンは 新しいHPV感染を予防するもの であり、すでに発症している尖圭コンジローマそのものを治療する効果はありませんのでご注意ください。※ワクチンは「新しい感染を予防する」ものであり、すでに発症している尖圭コンジローマそのものを治療する効果はありません。
接種推奨年齢:9〜14歳に接種を開始し、15歳以上であっても接種が可能です。
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出典
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World Health Organization (WHO) "Human papillomavirus (HPV) and cervical cancer" (2023)
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CDC "HPV Vaccination and the Prevention of HPV-Related Cancer and Genital Warts" (2022)
まとめ
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診断:主に臨床所見で診断し、必要に応じてPCR検査を行う。
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治療:局所治療、物理的除去、薬物治療が選択肢となり、患者の状態に応じた治療が行われる。
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予防:HPVワクチンの接種、コンドームの使用、定期的な検診が重要。
これらのガイドラインは、感染症の早期発見・治療と、健康教育・予防措置の強化に基づいています。各国や地域の医療ガイドラインを参照することも大切ですが、上記の指針は広く認められています。
※HPVワクチンについて
HPVワクチンによる予防
HPVワクチンは、主にHPV型6およびHPV型11に対して予防効果があります。これらの型は、尖圭コンジローマの原因となることが多い低リスクのHPV型です。また、HPV型16および18は、子宮頸がんや肛門がんなどを引き起こす高リスク型であり、これらの予防にも効果があります。
具体的なHPVワクチンの種類としては、以下のようなものがあります:
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ガーダシル(Gardasil):HPV型6、11、16、18に対する予防効果があります。特に、HPV型6と11は尖圭コンジローマの原因となる主な型です。
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サーバリックス(Cervarix):HPV型16、18に対して予防効果があり、子宮頸がん予防が主な目的ですが、低リスク型には効果がありません。
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ガーダシル9(Gardasil 9):HPV型6、11、16、18のほか、HPV型31、33、45、52、58などにも対応しており、より広範囲のHPV型に対する予防が可能です。
接種推奨と接種年齢
HPVワクチンは、性行為を始める前に接種することが最も効果的とされています。理想的には、9〜14歳の子供や若者に接種することが推奨されますが、15歳以上でも接種可能です。15歳以上の場合は、通常、2回の接種ではなく3回の接種が推奨されます。
接種のタイミング
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9〜14歳:2回の接種で十分
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15歳以上:3回の接種が必要
日本では、公費負担でのHPVワクチン接種が行われており、特に中学1年生から高1年生(約12〜16歳)が対象となることが多いです。
ワクチンによる効果と限界
HPVワクチンは、HPVへの初回感染を防ぐ効果が非常に高いです。しかし、すでにHPVに感染している場合には、その型に対する予防効果はありません。したがって、性行為を開始する前に接種することが最も効果的です。
まとめ
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HPVワクチンは、尖圭コンジローマの原因となるHPV型6および11に対して予防効果があります。
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性行為を始める前に接種することで、HPV感染を予防する最も効果的な手段です。
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接種対象者は9〜14歳が推奨され、15歳以上でも接種が可能です。
これにより、将来的な尖圭コンジローマや子宮頸がんの予防に大きな効果が期待できます。