Yanase Derma’s Diary

皮ふ科専門医による皮ふ疾患や論文などの紹介です。https://www.yanased.com/

【乾燥肌】ヒルドイドとカルテHDって何が違うの?“保湿オタク皮膚科医”が本気で比べてみた

みなさまこんにちは。

休診日でゆっくり仕事したりのんびりしております。

ふとコンタクト洗浄液を買いに立ち寄った薬局で、
皮ふ科コーナーを眺めてみました。

 

寒くなるにつれ、保湿剤の品揃えが一気に増えているのが目立ちます。
ヒルドイド®や市販のヘパリン類似物質製剤、カルテHDなど、
さまざまな製品が並んでいました。

 

クリニックでも、アトピー性皮膚炎をはじめ、
乾燥とかゆみで受診される方がとても多いため、
保湿剤を処方する機会は多いです。

 

今回は少し立ち止まって、
「作用機序」「費用負担」 の観点から
市販品と処方薬の違いを整理してみました。

 

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■ ヘパリン類似物質の違い

★ 処方薬ヒルドイド® と

★ 市販の0.3%乾燥肌治療薬(ヒルマイルド等)は

有効成分“ヘパリン類似物質0.3%”という点ではほぼ同等。

一方で、

★ カルテHDのような医薬部外品

  • 成分濃度は非公開(※0.3%未満とみられる)

  • ラメラ構造+擬似セラミドの低刺激設計
    という、スキンケア寄りの保湿剤です。

★ 敏感肌・アトピー(AD)では

  • 炎症期 → 処方薬(0.3%)+抗炎症薬

  • 寛解期 → 低刺激性のラメラ系保湿剤(市販品/医薬部外品

という二段構えが、文献的にも使用感としても理にかなっています。

 

 

 


■ 費用負担はどうか?

私が日常でよく処方する組み合わせを例に、
2024年12月の薬価ベースで概算してみます。

(※細かい算定は薬局の体制や診察の加算で変動します。)

サリチル酸ワセリン5%軟膏を20g処方

・ヒルドイドローションを先発品(マルホ)で150g処方

ヒルドイドソフト軟膏25g+ロコイド軟膏25g(混合)で処方

・ネリゾナ軟膏を10g処方

アレロックを後発品で2錠×14日分処方

 

医療費の計算は複雑であり、実際にかかる費用は、薬局の体制(調剤基本料の加算)や、医師の診察時の加算項目(指導料など)によって変動します。

ここでは、2024年12月時点の薬価(公定価格)に基づき、標準的な算定項目のみを用いて、3割負担の総費用を詳細に概算します。


 

Ⅰ. 処方内容の薬価と総薬価の計算

 

まず、処方された全ての医薬品の薬価(10割負担の価格)を計算します。

No. 医薬品名 規格・容量 薬価(1gまたは1錠あたり) 10割負担の薬価(総計)
1 サリチル酸ワセリン5%軟膏 20g 10.40円/g 208円 (10.40円 × 20g)
2 ヒルドイドローション (先発/マルホ) 150g 18.20円/g 2,730円 (18.20円 × 150g)
3 ヒルドイドソフト軟膏(先発) 25g (混合) 18.20円/g 455円 (18.20円 × 25g)
4 ロコイド軟膏(先発) 25g (混合) 26.60円/g 665円 (26.60円 × 25g)
5 ネリゾナ軟膏 10g 28.50円/g 285円 (28.50円 × 10g)
6 アレロック(後発品) 2錠 × 14日分 11.20円/錠(例:後発品) 314円 (11.20円 × 28錠)
  医薬品の総薬価(10割)     4,657円

【医薬品の総薬価(3割負担の目安)】

1,397円: (4,657円 × 0.3)

 

これだけの処方でも意外と高くありませんね。

 

Ⅱ. 診療所・薬局での総費用(概算)

■ 診療所+薬局での費用(再診時の例)

  • 再診料:220円

  • 処方箋料:200円

  • 調剤技術料など:数百円

  • 薬代(1,397円)

→ 合計 約2,350円

“クリニックの再診料が3割で220円”は、
医療制度上とても低く設定されています。

 

 

 


■ 市販品との価格比較

(※カルテHDは医薬部外品、市販薬ヒルマイルドはOTC、ヒルドイドは処方薬です)

製品名 区分 容量 税抜・薬価 費用目安
ヒルドイドローション0.3% 医療用医薬品 50g 薬価910円 約270円(3割)
カルテHDローション 医薬部外品(市販) 50g メーカー希望小売価格 実売価格1,500円前後
ヘパリン類似物質ローション(GE) 医療用医薬品 50g 5.1–7.8円/g 約80–120円(3割)
ヒルマイルドローション OTC医薬品 60〜100g 1,200〜1,600円 店頭売価

もちろん薬局で気軽に買える方が良いのですが


■ 結論:

保険に加入している方なら

処方薬の方が費用負担はむしろ安いことが多い。

もちろん薬局で気軽に買える魅力もありますが、
市販品で改善しない乾燥やかゆみが続く場合は、
アトピー性皮膚炎・接触皮膚炎・皮脂欠乏症などの可能性があります。

そのような場合は、
無理に市販薬で粘らず、皮ふ科を受診していただくのがおすすめです。

ではでは〜。