Yanase Derma’s Diary

皮ふ科専門医による皮ふ疾患や論文などの紹介です。https://www.yanased.com/

ニキビ治療薬で効果的なアイテムとは?#スキンケア#お薬の使い分け#ディフェリン#ベピオ#エピデュオ

おはようございます。

 

今朝は、ニキビ治療について

あらためてニキビ治療薬と当院でのニキビ治療の実際、

外用剤の上手な使い方について記載してみたいと思います。

(以下、やなせ講演会作成スライドより引用)

 

ざ瘡(にきび)は毛包脂腺系を反応の場とした炎症性疾患

ざ瘡は、①ホルモンバランスによる皮脂腺の過剰分泌、②毛包角化異常による角栓の形成、③アクネ菌の感染による炎症 により生じます

 

ざ瘡の治療には様々な要素があるのですが

これまでのブログに記載したように、アダパレンBPO(過酸化ベンゾイル)による治療が国内でも、海外でも、ガイドラインでは記載されています

 

ときに、このような科学的根拠のある保険でできる治療の順序より先に、

〝ポテンツァ(マイクロニードル高周波)〟や

〝IPL(Intense Pulsed Light;フォトフェイシャル。ルメッカやオーロラなど)〟

の美容治療を先に勧められて

なかなかよくならないといっておいでの方がおられます。

もっと安く早くよくなる保険治療がありますのにもったいないなと思います。

(もちろん、美容の治療でベースの肌質はとてもよくなっている方が多いのですが)

 

とはいえ、

保険治療を受けておられてもよくならずにおいでの方もおられます。

 

それには、製剤の選択や使い方のコツが十分でないことがあります。

 

1) 保湿剤

 (ヒルドイドフォーム/ローション/クリーム/軟膏、ヘパリン類似物質、GRAFA)

ガイドラインには記載されていませんが、

アダパレン(ディフェリン®)や過酸化ベンゾイル(BPO;ベピオ®)は

肌に刺激があることが多いため、

丁寧な保湿をしてからこれらの薬剤を塗布が推奨されています。

ただし、保湿剤はコメドを作りにくい〝non-comedogenic〟な保湿剤を併用することが推奨されています。医療機関で処方されるヒルドイド®などの保湿剤はコメドを作りにくいと報告されています。

なお、当院では、ご希望に応じ、

〝GAUDI〟トラネキサム酸ローション:炎症抑制、色素沈着をおさえる美白作用や、

【美容】【トラネキサム酸】のすべて ~小鼻・ほうれい線・口角ボトックスはじめます~ - Yanase Derma’s Diary

・〝GRAFA〟の保湿剤:保湿作用に優れ血管拡張作用がない

を自費で提供しています。

 

2) アダパレン(ディフェリン®)

 (角質剥離/ピーリング作用;コメド形成抑制、皮脂分泌調整、抗炎症作用)

クリニックで処方されるアダパレンは、作用機序として

・角質剥離(ピーリング)作用;コメド新生抑制

・皮脂腺分泌抑制作用;皮脂腺を抑制する

・抗炎症作用;炎症を抑える

上記のはたらきによりあらたなコメド(面皰;白いぽつぽつ)の生成を抑制します。

ただし本邦ではむね、背中のニキビには臨床試験が実施されておらず、有効性は確立していないとされています(海外では使用が可能なものも)。

【副作用】

・ヒリヒリ、かさかさする、赤くなる(ピーリング作用があるため)

【禁忌】

・過敏症の方 ・妊娠されている方 は使用ができません。

【妊婦・授乳婦・小児へのご使用】

・妊娠されている方:禁忌とされ使用できません。

・授乳されている方:塗布されている方の母乳中への移行は不明で、有益性投与といって、有益性が勝っていると判断されれば使用は可能です。

・12歳未満の小児への使用は禁忌ではありませんが、臨床試験がされていないと記載されています。

 

3) 過酸化ベンゾイル( BPO:ベピオⓇローション/ゲル)

 (角質剥離/ピーリング作用、殺菌/消毒作用)

クリニックで処方されるBPOは、

抗菌作用:強力な酸化剤であり、分解により産生されたフリーラジカルがアクネ桿菌や表皮ブドウ球菌などの細菌を直接障害して抗菌作用を示す。
角質剥離作用:角質細胞の接着構造のコルネオデスモゾームの構成蛋白を変性させ角質の剥離を促し、毛包漏斗部の過角化・面皰形成を抑制する
皮脂分泌抑制作用も有する。

とされています。

【禁忌】

・過敏症の方 は使用ができません。

【妊婦・授乳婦・小児への使用】

有益性投与とされ、禁忌ではありません。

12歳未満の小児への使用は禁忌ではありませんが、臨床試験がされていないと記載されています。

 

これら面皰治療薬の使い方のコツとしては

① 十分な保湿をしてから(必要に応じ、アダパレン塗布前後に保湿を)

② まずは少量、狭い範囲で

③ 最初は慣れるまで1時間程度で洗い流し、徐々に塗る時間を増やす

という方法があります。

 

 

4)  ゼビアックス/ダラシンⓇ

 (抗菌作用/抗炎症作用)

追記予定

 

5)  エピデュオⓇゲル(アダパレン+ベピオ)

  2) ディフェリン(アダパレン®ゲル )+ 3) ベピオ®ゲル

ですので、もっとも強力なコメド形成抑制、皮脂分泌抑制、

抗菌・殺菌作用があります。

 

6) デュアック®ゲル(ベピオ®ゲル+ダラシン®ゲル)

7) アゼライン酸  (別日ブログ記載)

yanasettey.hatenablog.com

8) イソトレチノイン内服 (別日ブログ追記)

yanasettey.hatenablog.com

 

さらに、しあげの美容目的、ニキビ痕の治療として

ケミカルピーリング

(ニキビあと、美白、ツヤ・ハリ、はだの若返り(Rejevenation))

ダーマペン4(ニキビ痕改善、美白、ツヤ・ハリ、はだの若返り(Rejevenation))

・マイクロニードルRF(ポテンツァなど);当院にはありません

・アゼライン酸、ビタミンCの塗布

などがあります。

 

また、ケミカルピーリング、ダーマペンについてはブログに記載します。

 

さてさて、、今日は広島市でも気温マイナス2度です!

みなさま、寒さにどうぞお気をつけて、一日を乗り切りましょう⛄✨