おはようございます。
広島はG7サミット一色で
広島市内~宇品にかけてとくに
北海道警から大阪府警、沖縄県警の方までほんとうに多くの警察関係者が
こられており物々しいです。
広島平和公園も各国首脳が来られる予定のようで、
周囲にバリケードが張られています。
これでほんとうに〝平和〟公園なんでしょうかね?
と皮肉を言ってみる・・・( ´艸`)
さて
比較的珍しい疾患で
「色素性痒疹prurigo pigmentosa」という疾患があるのですが
患者さんが来られたのでまとめてみました。
色素性痒疹prurigo pigmentosa
[概要]
主に若年女性の項部(うなじ)、上半身、肩、胸部などを中心に
強いかゆみをともなう紅斑~紅色丘疹が生じ
消退後に網目状の色素沈着を残す疾患 とされています。
春~夏が多い というものから季節性は関係ない という報告も
[発症要因]
しばしば糖尿病;DMに続発する。1型DM/2型DMいずれもあり。
急激なダイエットや神経性食思不振症で誘発もしばしば報告あり
糖利用の低下や脂肪分解によりケトン体の増加(ケトーシス、ケトアシドーシス)を呈することと関連するとの報告が多い
成人スティル病/アトピー性皮膚炎/ピロリ感染症/Sjogren症候群とも関連するとの報告があるが散発的な報告に過ぎない
成人スティル病は鑑別疾患として重要
[臨床像]
蕁麻疹様の小さな紅斑、局面が好発部位に散在し、治癒後には粗大網目状配列・樹枝状~珊瑚状の色素斑を呈する。
[病理組織像]
皮疹部の表皮肥厚・角質肥厚と不全角化、表皮内の部分的な海綿状態を示す
真皮上層の浮腫を伴う血管周囲性の炎症細胞浸潤。メラニン沈着やメラノファージもみられる。
[治療]
一般的にステロイドは有効ではない
ミノサイクリン;MINO内服が第一選択で100-200mg/d内服
治療開始後も再発が多く1-2か月以上の内服も
症状改善後の網目状色素沈着は半年以上の長期間残存する
MINO以外にはジアフェニルスホンDDS、ドキシサイクリンDOXY、マクロライド系抗菌薬の有効性報告も
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当院には、総合病院で診断・治療が終了後に
残った網目状色素沈着でおいででしたので
どのように治療するかちょっと悩ましく感じました。
どの報告を見ても
「ミノサイクリン投与により炎症後色素沈着をのこして改善した」
と書かれており
炎症後色素沈着の治療に関して記載されているものがありません。
当面、MINOとDDS内服を選択したのですが
色素沈着(PIH)が主体でしたら積極的な抗炎症治療ではなく
真皮内メラノファージをターゲットにした治療のほうが良いのかなと
あらためて考えました。
MINOには副作用で炎症後の色素沈着様のくすんだ色素沈着を残すことがあるので要注意ですね、
DOXYのほうが安全かもしれないので病態制御後は変更しましょう。
PIH
PIHの治療は炎症が沈静化したのちには待つしかないのですが
積極的にやるなら部分的にQスイッチレーザーの効果をみるか
レチノール/ハイドロキノン/トラネキサム酸TA外用でもトライでしょうか・・・
報告ではQスイッチNd/YAGのtoningの報告があります。
しかしVItC/VItE/TA内服(いわゆるシナールユベラトランサミンですね)と
ハイドロキノン+VItCローション+TACr、コウジ酸を併用されているのでそれだけでも十分なんじゃないか・・・
やはりいわゆる美白治療で有効なようです。
当院でもこれらVitC/トラネキサム酸/ハイドロキノン外用の
美白治療を受けていただくことはできます(自費診療です)✨
MINOやDDSは副作用が多いので簡単に記します。
【ミノサイクリン:ミノマイシンMINO】
初回投与量は100-200㎎/d
12時間~24時間ごとにミノサイクリンとして経口投与。
めまい感の副作用AEあり、運転等の機械操作で注意
腎障害/肝障害/血液障害/重篤な薬疹/光線過敏 の可能性あり
【ジアフェニルスルフォン/レクチゾールDDS】
効能効果:持久性隆起性紅斑、ジューリング疱疹状皮膚炎、天疱瘡、類天疱瘡、色素性痒疹
用法用量:通常、成人1日50~100mgを2~3回に分けて経口投与
慎重投与、基本的注意
血液障害、糖尿病ケトーシス:溶血、腎障害、肝障害
重大な副作用:薬剤過敏症候群、血液障害、重症薬疹、好酸球性肺炎
いゃあ、こうみると結構コワいお薬なような気もしますね。
一応副作用については処方時に必ずお伝えしています。
DDSはとくに色素性痒疹ではケトーシスがあるので溶血に注意です。
ではでは、今日もいちんちがんばりましょう✨