Yanase Derma’s Diary

皮ふ科専門医による皮ふ疾患や論文などの紹介です。https://www.yanased.com/

乳児(いちご状)血管腫の診断と治療

もう先週の2/21になりますが

 

和歌山県医大膠原病血管腫の専門でいらっしゃる神人(じんにん)教授が

広島にお見えになり勉強会がありましたので(すごいく高貴なお名前ですね)

 

乳児血管腫について復習してみます。

 

乳児血管腫、イチゴ状血管腫と以前はよばれており

そのかわいらしい名前とは裏腹に

一部の患者さんではその機能予後を著しく損ねる疾患でした。

 

現在は素晴らしい治療が確立しており

いまであれば〝どのタイミングで〟〝どのような症例〟が

積極治療の適応になるか、という見極め

このご病気に当たった医師に必要となっています。

 

興味深いことに

「1歳半ばまでに急速に大きくなり」

「急速にしぼんでいく」

疾患であったので以前であれば〝Wait and See〟(待って様子を見ましょう)

という治療ポリシーでした。

 

ところが、瘢痕とか皮膚のたるみなどを残すこと

とくに顔面や口の周りにできた場合哺乳に問題をきたす場合があるなど

問題となる場合は多々ありました。

 

現在はβブロッカー(プロプラノロール;ヘマンジオル®シロップ)という治療薬が

適応となっており、この疾患の患児に素晴らしい有効性を認めています。

以下、まとめています。

 

タグ付きの写真: Screenshot, Template

いちご状血管腫は5.5-7.5週で急速に増大します

いちご状血管腫の一部では積極治療適応があります

潰瘍化した症例や顔面・陰部の症例は治療適応があります

一方で見た目や機能的に影響が少ない部位は様子見でよいとされます

このような後遺症は病態安定後切除で問題はないと考えます(私見

乳児血管腫は想像より大きく盛り上がるためご両親の心配は大きいです。
ご心配でしたら専門施設へ紹介しもらうのが良いと思います

 

 

とくに、本剤の治療は小児科医により心機能を評価しながら投薬する必要があるため

小児科と連携した治療が必須となります。

以上です✨

 

instaにもupしたんですけど

きょうはなにか画像が荒くなってしまいました・・・?

なぜだろ?

 

ではでは・・・明日から頑張ります✌