Yanase Derma’s Diary

皮ふ科専門医による皮ふ疾患や論文などの紹介です。https://www.yanased.com/

【論文レビュー】WEB blogが精神的健康に与える影響とは?

こんばんは。

有料ドメインレンタルサーバーを借りて、WORD PRESSへの移行を進めています。

いま工事中です、次には新規ブログ移行できるかなー。

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ちょっと気になっていたのです。

「WEB日記を書くことは精神衛生上よいのか?」

論文を探して読んでみました。少数ですがありました。

ウェブ日記の執筆量が精神的健康に及ぼす影響」

∫apan J  Applied Psychol. 2015. 40. 3, 177-185

 

【背景】

SNSを用いたウェブ日記の利用が増加している

SNSの利用者の割合を年代別にみると,10代では71.7%,20代では63.9%,30代では48.3%と,SNSも若年層ほど利用率が高い

・外向的な人はインターネットの利用が多いほど孤独感が減少するが,内向的な人は孤独感が高まることが認められている

・パソコンメールの利用時間が長い人ほど,孤独感,抑うつが低い

・日記を書く効果として,対人交流の場が広がることや,自分の心を開き,カタルシスを得ることで,自己治療の効果がある

ウェブ日記の執筆は,自己開示,満足感アクセス数・コメント数,ポジティブフィードバック,ネガティブフィードバックと関連し,精神的健康に影響を及ぼす可能性があるのではないかと考えられる。ウェブ日記の執筆の影響は,媒介要因によって,ポジティブ・ネガティブの両面の影響を及ぼす可能性があることから,媒介変数を考慮した検討を行う

 

【対象と方法】

・調査対象者は,全国の高校から抽出した18校の生徒に質問調査法を実施。

・自己効用(「自分の問題や感情などを整理し,明確にすることができる」「不
満や悩みなどを発散し,すっきりすることができる」等),関係効用(「自分に共感してくれる他者と出会い,親しくなれる」「自分のことを書くことで,他の人もその人自身のことを知らせてくれるようになる」等)に関する10項目を調査

・自己満足感/被満足感

抑うつ度、孤独感、不安感などを調査

 

 

【結果】

・全被調査者のうち,ウェブ日記を執筆している者は,1時点目39.5%,2時点目382%であった。

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【考察】

ウェブ日記の執筆量が自己効用の増加を介して孤独感を低下させるという媒介効果が認められた

・自己効用により気分の改善が促されることで,精神的健康が高まる可能性がある

・関係効用が精神的健康を高める効果は認められなかったが,これは他者との相互交流や他者による理解の促進が,一概に精神的健康を高めるわけではない

ウェブ日記での自己開示は,従来の日記での自己開示とは質的に異なるため,関係効用が精神的健康を高める効果が見られない

ウェブ日記の更新頻度が,被理解満足感を高め,被理解満足感が抑うつを低下させる効果が認められた

ウェブ日記の更新頻度がアクセス数・コメント数を高め,アクセス数・コメント数が抑うつを低下させる効果が認められたものの,アクセス数・コメント数が不安を低下
させる効果は認められなかった

・ネガ
ティブフィードバックが抑うつ,不安を増加させる結果が示されたことから,他者からの批判や攻撃的な言動が増加することにより,抑うつ,不安が高まる可能性

 

らしいです。

おおむね、ネガティブな反応をされない限り

抑うつ・不安には良い影響を与えるらしいです。

 

【教訓】

ブログは炎上しないように書きましょう。