おはようございます☔
梅雨入りしましたねー、してしまいましたねー(二回言う)
雨はじとじとするし
外にお出かけする元気もなくなるから気分がゆううつになりますね。
本日から3日間の予定で、広島三大祭りの一つ、〝とうかさん〟がはじまります。
本日の午前から午後にかけては雨ですが
6/3(土)、6/4(日)は晴れるようですね、よかった!
とうかさんや広島三大祭りについてまとめ
・・・は今日はしません!
HPへとぶのだ!
とうかさん公式ホームページ | 広島はとうかさん大祭で夏がくる
本日は藤波辰爾が当クリニックにインタビューにおいでになるというので、
藤波辰爾さんについて調べようかとも思ったのですが( ´艸`)
昨日、旅行中のイタリー人が患者さんとしてこられ診察をしたので
その復習をしてみます。
当クリニックは広島市内の真ん中にあり交通の便も幸いよいですし
クリニック周辺には
外国の方がたくさん歩いておられます。
ほんとに20%くらいは外国人があるいています。
石を投げれば外国の方にあたるでしょう(投げてはいけません)。
よく外国の方が目の前のゲーセンでクレーンゲームに興じている姿を見ます。
クレーンゲームはジャパニーズカルチャーなんでしょうかね?
お昼前にクリニックに電話があり、
外国の旅行客だが診察可能かとの問合せでした。
「Of course!と答えてください!」(ほんまか)
当クリニックは安佐市民病院時代から
英語教師を含めて何人か外国の患者さんを引き続き診察をしていますので
ある程度英語の診察には慣れております(と、このように自負しております)。
患者さんがこられるまでは、なに人がこられるのかわかりませんでした。
通訳か関係者も来られるのだろうと思ったのですが、
なんと外国の患者さんはおひとりでおいででした(強いですね)。
英語教師の聞き取りやすい英語とはちがいます。
早口で聞き取れないです。
・・・ちょっと何言ってるかわかんないですね
30代女性で、イタリアーノだそうです。
でも英語は流暢(ちょっとクセが強い?)。
(がんばって)問診すると
「東京、京都、広島、奈良と旅行に来た。ひどく歩いた。明日は奈良に移動する。」
「2日前下腿後面(アキレス腱部周囲)に(鶏卵大程度の)片側の圧痛が出現し、
翌日には対側の下腿後面同部位周囲に圧痛がみられた」
「まず(たぶん)靴擦れのくすり(イタリア語で書いてあり全く読めない)を塗った」
「治らないから市販のロキソニンローション(いたみどめ)を2回外用した」
「最後に外国人旅行客の持っていた(ステロイド)外用薬を塗った」
・・・と私には聞こえました。
「それは大変忙しい、強行軍の旅行ですね~。」
と伝えようと思ったのですが
強行軍(比喩的に、時間的に無理な計画を強いて実行すること)が翻訳できず
「Oh・・・、that's busy trip、、、」
と伝えました。
患部を触診すると軽度の浮腫と圧痛、熱感があり、
「服がこすれるとチクチクするいたみのような違和感がある」
「かゆみはない」
といいます。
部位はアキレス腱部よりやや頭側で靴がこすれる部位ではありませんでした。
印象では
「たぶんbacterial infectionとcontact dermatitisのいずれかあるいは両方だろう、
下記飲んで、塗ってください」と伝え
① 第一世代セフェム抗生剤(ケフラール) 3日分
② NSAIDs内服(セレコキシブ)3日分
③ マイルドクラスのステロイド軟膏外用
を処方しました。
また、海外旅行の保険や保障の証明書を英語で記載しました。
外国の方の診察は通常の診察の数倍疲れます。
・・・ふと、帰ってからブログ書こうと思ったのですが
これは結節性紅斑の可能性がなかったかなと少し反省しました。
しかし外国の方だと問診に時間がかかるうえ正確な理解や所見をとることがやや不十分となり正確な病変の記載や病態の把握が少し難しいです。
関節痛や咽頭痛その他基礎疾患の有無の所見を取り忘れてました。
もっとたくさんのいろいろな海外の患者さんを診る慣れが必要ですね。
結節性紅斑についてまとめます。前置きが長いdesu!
結節性紅斑 Erythema nodosum
【概要】
結節性紅斑は脂肪織炎の一種で、おもに脛部(すね)に圧痛を伴う紅色~紫色の有痛性の皮下結節を生じる。しばしば全身性の基礎疾患;溶連菌感染症、サルコイドーシス、潰瘍性大腸炎やCrohn病などの炎症性腸疾患に伴って発症する。診断は臨床的評価や生検による。治療は原因に応じて異なる。
【病因】
結節性紅斑は主として20代から30代に生じるが,あらゆる年齢層で発生する可能性があり,女性の方が頻度が高い。結節性紅斑の病因は不明であるが,しばしば他の疾患を合併することから,免疫学的な反応が疑われる。最も頻度の高い疾患は以下の通り:
-
レンサ球菌感染症(特に小児)
-
サルコイドーシス
-
炎症性腸疾患
他に可能性のある誘発疾患には以下のものがある:
結節性紅斑症例の最大3分の1は特発性(原因不明)である。
類似疾患である硬結性紅斑は,腓腹部の病変として現れ,古典的には結核患者にみられる。
【診断】
-
臨床的評価
【参考文献】
Last full review/revision November 2013 by Wingfield E. Rehmus,
中村晃一郎, 結節性紅斑を見極める,: MB Derma, 320: 59-65, 2022 ほか
しかし思い出してみても触診上は
結節性紅斑にみられるような脂肪織の限局的な炎症による硬結という印象はなく
また下腿屈側であることから主に伸側にみられる結節性紅斑としては矛盾があります
軟部組織感染症でよかったと思うのですが
ただ両側性というのが蜂窩織炎に合致しない気もする・・・
ひどく歩いたことにより生じた外的な刺激による一時刺激性の反応としても
浮腫を伴う圧痛、熱感という点からちょっと合致しないです。
蜂窩織炎にしても、結節性紅斑であったとしても
・抗生剤
・NSAIDs の選択は間違えていません。
ただ旅行中だから大切な
・安静
はきっとできないでしょうねー。
その諸注意は十分できませんでしたし残念ながら守られないでしょう・・・。
どうか改善しますように・・・。ちゃんとイタリーに無事帰られたかなー。
ではではー、きょうもいちんち頑張りましょう✨